気密性と湿度計に難あり?ナカバヤシ キャパティ ドライボックス 27L レビュー

湿気。それはレアカードだけを的確に曲げる恐ろしいヤツ。

私はこれまで湿気対策としてカードケースやストレージごとにシリカゲルを入れ、さらに収納の別の段には水とりぞうさんを置いていました。

しかしカードが増えるにつれ必要なシリカゲルも増加。さらに密閉とは程遠い環境なのでシリカゲルの消耗も早く、いよいよ管理が大変になってきました。あと引き出しの容量もそろそろ限界…!

そこで、調湿と収納を兼ねてドライボックスを導入することにしました。防湿庫と違いシリカゲルの交換や調整は必要ですが、それでも負担はかなり軽減されるはず。

概要

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今回購入したのはこちらのドライボックスです。商品情報は以下の通り。

サイズは他に薄型11Lや縦型20Lなどありますが、私は手持ちのカードが全て収まるこのサイズを選びました。カラーは紫外線対策も兼ねてグレーを選択。

この商品の特徴はボックス内部に装着できる湿度計が付属していることですね。
加えてA型シリカゲルも付属しているため、防湿に必要な「密閉」「除湿」「湿度管理」の全てが備わったドライボックスと言えそうです。

…ただ、結論から述べると本商品の気密性と湿度計は微妙というのが正直な感想です。特に湿度計はオマケ程度に思っておいた方がいいでしょう。その理由について次項から詳しく説明していきます。

気密性

まずは湿度計の設置から確認します。

取り付け自体は簡単で、ボックス正面の溝に沿って湿度計を上から挿入し、同じようにスペーサーというプラスチックの蓋を挿入すれば完了です。

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しかしこの構造が問題で、肝心のスペーサーが曲がりやすいため隙間が発生してしまうのです。

実際に湿度計とスペーサーを取り付けた際、蓋をしたボックスを手で押してみるとシュゥー…と空気が抜けていく音が出るのを確認しました。少なくとも、密閉容器が出していい音ではないのは確かです。

幸い、隙間をセロハンテープで雑に塞ぐだけでも音は出なくなったため、きちんと対策をすれば密閉かそれに近い状態には出来ると思います。

とはいえ、初期状態で隙間があり、それをパーツで防ぐという設計には疑問が残りますが…

湿度計

次に調湿の要である湿度計について。

こちらは薄い円形のアナログ湿度計です。計測項目は湿度のみで、円盤には大まかな湿度の目安が載っています。機能としては最低限といった感じですね。

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この湿度計も私が受け取ったものには問題があり、最初こそ正常に見えたものの、程なくして湿度が60%を絶対に下回らないことが分かりました。さらにボックスを開閉する度に悪化していき、翌日には湿度の下限が70%になってしまいました。

各販売サイトでも同様の症状を指摘するレビューが見受けられたため、湿度計の安定性はあまり高くないのかもしれません。

加えて、この湿度計は±10%の誤差があると取扱説明書で明記されています。1000円台のデジタルorアナログ湿度計でも極端な環境でなければ±5%の精度としているものが多いため、精度自体も高いとは言えません。

よってこの湿度計を調湿の目安にするのは危険と判断し、湿度計は別途用意することにしました。

サイズ

収納として重要なボックスの内寸についても確認しておきます。

ボックスは見た目通り上面が広く、底面が狭くなる形をしています。これは内寸についても同様で、上面は底面よりも約3cmほど縦横に広いです。

そして、商品情報の内寸(横25cm、奥41cm、高さ23.5cm)は、底の寸法を計測したものです。そのため内寸に収まるサイズであれば基本的には入ります。例外は丸くなっている四隅の部分で、端に箱などを置きたい場合は4~6cmくらいの余裕を見ておいた方がいいでしょう。

内寸の高さも蓋の空洞を除いた数値なので、中央付近であれば1cm程度オーバーしても蓋は閉まりそうです。

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実際に手持ちのカードを入れた様子がこちらになります。

ボックスに入っているのは『KMC カードケース200』8個と『Answer ストレージボックスHG600』2個です。容量にはまだまだ余裕があり、カードケースは2段目を、ストレージも寸法的にギリギリですが3段目を積むことが出来ます。

因みに、このストレージのワンサイズ大きいHG800は奥行きが40cmあるため、収納自体は可能ですが端にピッタリ寄せて置くことは出来ないものと思われます。

外観

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最後に、ボックスの外観についても少しだけ見ておきます。

今回購入したグレーのボックスは概ね半透明。クリアタイプのカードケースだと中のカードが少し見えますが、ブラックタイプだと半透明が重なって中身は殆ど確認できないです。

「中が見えない=紫外線を防げている」という訳ではないと思うのでUVカット効果については不明とさせて頂きますが、日陰~暗所で保存するボックスとしては十分に思います。そもそも不透明なスリーブに入った状態で積まれているカードであれば、受ける紫外線は限定されそうではあります。

総評

気密性と湿度計に難あり。ドライボックスとしては微妙だが、対策すれば実用は可能」です。

似たような商品は他にもありますが、密閉容器と湿度計を個別に用意した方が確実だと思います。結局は付属の湿度計がネックになりそうなので。単品で防湿が完結するという触れ込みは魅力的なんですけどね…

ただしこのボックスのサイズ感にはとても満足しております。手持ちのカードが悠々入り、それでいて収納棚にギリギリ収まるという個人的にピッタリのサイズでした。

テープ等で対策すれば密閉も可能ですし、湿度計も別途購入すれば問題ありません。本末転倒ではありますが、本製品を買ったこと自体は全く後悔していません。カードが増えすぎてパンクするような事態にならない限り、今後もお世話になることでしょう。

おまけ TANITA TT-580-WH グラフ付きデジタル温湿度計

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付属の湿度計の代わりとして急遽購入しました。タニタのデジタル温湿度計です。こちらもAmazonヨドバシで販売されています。

アナログかデジタルかで迷いましたが、アナログの場合は物理的な衝撃で針が狂うことがあるらしく、商品の配送やボックスの移動による破損リスクを考慮してデジタルにしました。数値の反映も一般的にはデジタルの方が速いらしいです。

主な機能として温度、湿度、時刻の表示に加え、過去7日、もしくは24時間の数値の推移をグラフで確認することが出来ます。さらに自立用スタンドと壁掛け用フックも付いており、非常に小回りが利いています。

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写真では床が反射して少し見づらいですが、実際の視認性は問題ありません。数値が大きめに表示されているので近づけば十分に読み取ることが出来ます。

動作も今のところ正常で、本体の移動やボックスの開閉に合わせて湿度もきちんと反映されています。グラフ機能も地味に便利で、外出や就寝時のデータも確認できるのは結構助かりますね。こちらは文句なしに買ってよかった商品です。

なお本製品の精度は±5%(35~75%の環境において)とのことなので、私の場合はボックス内の湿度が50%前後になるようシリカゲルを調節しています。

感想

湿度計の不具合は予想外でしたが、以上にてドライボックスの導入が完了となりました。

これ以降、シリカゲルの交換頻度と手間は大幅に減り、取り替えのタイミングで悩むこともなくなりました。カードの反りも目に見えて軽減されましたし、限界だった収納もスッキリしてまたカードを増やせるようにもなりました。いいことばかりで超満足です。

とはいえ、これまで結構な勢いでカードを増やしているので…今後は購買意欲の自制&こまめな整理整頓を心がけていこうと思います。節度、大事…!