音声ガイダンスからの解放 SOUNDPEATS Air5 レビュー

ライフスタイルやら思想やらが反映されるというオーディオ機器選び。皆さまの信仰はどのようなものでしょうか。私はインナーイヤー教無線派、コスパ重視主義に属しています。(自室で長時間使用&運動しながら動画視聴&バッテリー劣化が早いので)

そしてその条件に合うイヤホンとして、これまで『Anker Soundcore Life Note 3S』を使用していたのですが、使い始めて1年半が経過した頃に問題が発生しました。

バッテリー残量低下時の通知音がデカいのです。

残量30%頃から複数回にわたって「Battery Low!!!」という特大アナウンスが炸裂するため、バッテリーが劣化したこのイヤホンはもはや悲しきビックリマシーンと化してしまいました。接続音は「ピポパ♪」という控えめな電子音だったのに…

かくして、私のオーディオ宗教に「音声ガイダンスを調整できること」という新たな戒律が刻まれました。

そのような過程を経て、今回新たに購入したのが『SOUNDPEATS Air5』です。中国のブランドですがイヤホン主体で10年以上の販売実績があり、音声ガイダンスの調整が出来そうな情報もあったため購入に至りました。

という訳で、本記事は『SOUNTPEATS Air5』の使用感をまとめたものとなります。果たして、音声ガイダンスを消すことは出来るのか…?


※余談ですが、Life Note 3Sの後継機である『Anker Soundcore K20i』について、Ankerのチャットサポートに問い合わせたところ「K20iに音声ガイダンスの調整機能はなく、その音量も前機種と同等程度」という返答を頂いてしまったので、採用を見送ったという経緯があります。(2024年9月中旬の出来事)

使用環境

  • 使用場所:自室(基本的には静か)
  • デバイス:デスクトップPC+iPad(アプリ設定用)
  • 用途:ゲーム、動画

上記の環境、用途で使用した上でのレビューとなります。

外観

まずは商品内容と外観を確認していきます。

内容物はケース&イヤホン、Type-C充電ケーブル、取扱説明書、謎マスコットのステッカーという構成です。

説明書とステッカーは蓋の裏に、ケーブルは土台の裏に収納されています。ケーブルは最低限の長さですが、まぁ大抵の人は自前のものがあるので問題ないでしょう。取扱説明書も日本語が記載されておりこちらも問題なしです。

ケースとイヤホンを並べてみました。左がAnker Soundcore Life Note 3S、右が初代Air Podsです。

カラーはホワイトを購入しましたが、イヤホンとケースで色味の違いがかなり目立ちます。イヤホンは普通の白色ですが、ケース土台は青みがかったパールグレー、蓋が白色、内部がグレーと統一されておらず、個人的にちょっと気になる部分。

ケースは丸みを帯びた形状で光沢があり、ツルツルを通り越してヌルヌルに近い手触りです。AirPodsと同じようにイヤホンを縦に挿入して収納するタイプで、バッテリー残量などを示すランプは一つ。色と明滅で判断する仕組みとなっています。

私は机に置いて使用するため、先代Soundcoreのように寝かせて収納するタイプの方が片手で扱いやすくて便利でしたが、まぁそこは個人の好みでしょうか。ただ蓋の切れ込みが深いのでそこにイヤホンが入り込むのはちょっとイヤかも。

バッテリー残量については大まかにしか把握できませんが、ランプが黄や赤になったらとりあえず充電しておけばいいので大きな問題はなさそうです。

イヤホンを取り出して並べてみました。

先代Ankerがやや大きめなので並ぶと小さく見えますが、一般的なコンパクト寄りサイズのイヤホンと考えていいと思います。

アプリの機能

本題です。アプリの設定で音声ガイダンスを調整することは出来るのでしょうか。

イヤホンの設定にはSOUNDPEATSが提供する『PeatsAudio』というアプリをインストールする必要があります。その前身である『SOUNDPEATS』というアプリを入れても無駄足になるので注意しましょう。(一敗)

このアプリ、使用するにはメールアドレス認証による会員登録が必要で、それもあってか評価がすこぶる悪いです。とはいえ使わない訳にもいかないので、登録を済ませてイヤホンを接続します。

設定画面が開きました。あ!サブメニューに「音声ガイダンスの音量調整」が…ある!!

これを選ぶとボリュームを指定する画面が開き、最低まで下げることで無音にすることが出来ました。やったぜ!

という訳で「SOUNDPEATS Air5は音声ガイダンスの音量調整が可能」という結論となりました。いやー、最初にケースを開けた時の第一声が「Pairing!!!(お風呂場反響ボイス)」だったので、ミュート出来なかったらどうしようかと心配でした。調整できて本当によかった。

念のためバッテリーが0%になるまで使用してみましたが、最後まで通知音の類が流れることはなく、静かに力尽きていました。

音声ガイダンスはこれで解決として、他にもイヤホンタップ時の挙動、ノイズキャンセリングやゲームモードの切り替え、イコライザーなどの設定が可能です。タップ操作は誤爆しやすい機能でもあるため、オフに出来るのは助かりますね。(先代のSoundcore君、なぜか一部操作を無効に出来なかった)

なお、初回はファームウェアのアップデートをお忘れなく。一度アップデートせずにPCで使用しましたが、超安物イヤホンみたいな音質になっていました。

音質

次に、世間的にはとても大事な音質について。

私は音楽や音質について知識やこだわりがなく、音の良し悪しも正直分からないのですが…ただ高音域が強くてゲームや動画では耳障りに感じる部分がありました。

具体的にはアクションゲームでの打撃音や金属音がキンキンしたり、動画では人の声やゆっくりボイスなどに電子音っぽさを感じたりですね。

これらの症状はプリセットのイコライザーでは解決しなかったため、カスタムイコライザーで低音と高音の両方を下げることで違和感や不快感を緩和することが出来ました。因みに「外耳道」の設定も音の出方にしっかり影響を与えるようです。

音楽に関しては…殆ど違いが分かりませんでした。普段あまり聴かないから…

最初に試した時は「低音と高音がしっかり出てる!」とか思ったのですが、先代Soundcoreも低音高音を抑えた設定にしていただけでした。お互いデフォルト設定で聞き比べた場合、僅かにAir5側で人の声に電子音っぽさを感じるくらいでしたね。

先代Soundcoreの時点で「いい音だなぁ(小学生並みの感想)」と思っていたので、Air5もいい音なんだと思います。たぶん。

その他

バッテリー

仕様によると最大再生時間は6時間、ケース併用で約30時間とのこと。

音声ガイダンスの消滅を確認した際、確かにバッテリーが切れるまでに6時間ほど掛かりました。ただし無音の時間もそれなりにあったはずなので、音を出し続けた場合はもう少し早いかもしれません。

ノイズキャンセリング

私は使わない機能ですが、ノイズキャンセリング機能も搭載しています。

アプリで自分に合う「外耳道」を設定した上でテストしたところ、パソコンの静かな駆動音くらいなら違和感なく無音にしてくれました。

一方でしっかり目に稼働しているエアコンや換気扇などは多少貫通して聞こえますね。また、風に当たると「ボボボボボボ」と風切り音が発生したりもします。

ついでにタイミングよく近隣で芝刈りと工事をしていたので試してみたところ、「ドドドドド…」という音が「コココココ…」くらいに軽減されたものの、イヤホンからは常時「スーーーーッ!!」という、必死に音を打ち消している様子が漏れ出ていました。まぁ流石にね…

元がインナーイヤーですのでヘッドホンのような静寂の世界…!とは程遠いですが、周囲のノイズを軽減して音楽に集中したい、くらいの用途には十分使えるのではないでしょうか。

マルチポイント接続

購入前は特に意識してなかったのですが、本イヤホンは2台のデバイスまで同時接続できます。

これが結構便利で、イコライザーの設定時もPCとiPadで接続を切り替える手間がなく、とても助かりました。音の出力も自動で判断して1~2秒で切り替えてくれますし、これはあって損のない機能ですね。

総評

以上、SOUNDPEATS Air5のレビューでした。

総評としては「気になる点はあれど機能性は十分。何より音声ガイダンスを消せるのがえらい!」です。

個人的に気になったのはケースの色のバラつきと若干の扱いにくさ、ゲーム用途での高音の強さとイコライザー調整の手間でしょうか。ただいずれも人によっては全く気にならない部分かも。

一方で機能面はマルチポイント接続やノイズキャンセリングなど充実しており、さらに音声ガイダンスを消して快適に運用できるのは非常にありがたいです。というか通知音の調整機能は全イヤホンに標準搭載していてほしい、切実に。

通信の安定性やバッテリーの耐久力についてはまだ評価できないため、今後の使用で分かったことがあれば追記する形を取ろうと思います。

なお、SOUNDPEATSは頻繁にセールやクーポン配布を行っているようで、私が購入した時は合計でおよそ2000円引きの約7700円でした。参考までにドウゾ。